そこに迫る「2025年問題」と2035年の市川(クラナリ)
今年は2024年ですから、来年はそうです、2025年です。
2025年といえば「2025年問題」。
日本の人口に占める割合が最も大きい団塊の世代(1947年~1949年生まれ)がすべて75歳以上になることで、約5人に1人が後期高齢者(75歳以上)になります。また、約3人に1人が前期高齢者(65歳以上)です。
ちなみに総務省の資料では、65歳以上人口のピークは2042年とされていました。
財務省の試算では、2025年に社会保障費が140兆円を超えると見込まれていて、若い世代への負担が増えるほか、医療、福祉に深刻な影響があると予測されています。
この問題の背景にあるのは、急速に進む少子高齢化です。
働き手の不足は、社会を維持するシステムにも影響を及ぼすと考えられています。
「2025年の崖」
経済産業省が2018年に発表した「DXレポート」で使われた言葉です。IT技術者の不足し、古いシステムの見直しが遅れることで、セイバーセキュリティなどで問題が発生するというもの。
東京への一極集中が続く中、隣にある市川市で暮らしていると、人口減少があまりピンと来ないのではないでしょうか。
市川市役所は、次のように人口推計を発表しています。
本市の人口は、令和 7 年(2025 年)以降減少傾向の推計となるが、60歳以上の人口は、令和42年(2055年)まで増加傾向が続くと推計され、184,954 人になると予想されている。
https://www.city.ichikawa.lg.jp/common/wel08/file/0000422670.pdf
そんな市川市で、おそらく私たちは生きているわけです。ひとまず10年後の2035年、暮らしと生業はどのようになっているでしょうか。
市川市の2035年の人口は、48万5113人と推計されています。10年後の人口は、今から10年前の2015年のレベルなのです。
10年後と10年前が同じだなんて、未来に進んでいくと時間が巻き戻っているような、不思議な感覚に陥りませんか。
スピードと成長、効率を追い求めてきた資本主義経済で人口が膨らんだ後、まるで逆回転をするように、今は縮小し続けています。過去へと回帰しているのです。
そして訪れる未来の風景は、私たちの祖先がたどった、どこか懐かしいものになるのかもしれません。
ちなみに日本全体の人口を見た場合は、2035年の人口は1970年代と同じレベルということになります。
我が国における総人口の長期的推移より、一部改変(紫のライン) |
上の総務省のグラフを見てわかるとおり、まあ、人口構成は全然違いますが。
こうした未来と過去との共通点・相違点を見比べながら、ただただ「問題」「崖」を憂うだけでなく、これから10年の暮らしと生業をなんとかしていきたいと考えるのが【市川みらいアーカイブ】です。
役に立つのかと問われれば、答えようもないのですが、【市川みらいアーカイブ】を一緒に作ってみてもいいよという部員を勧誘しているところです。
〇【市川みらいアーカイブ】3つの目的(仮)
1 ウェブ上に散逸するコンテンツ(文章、写真、動画、記事など)をストックする
2 多様なコンテンツを一市民でも手軽に活用できるようにすることで、新たな知を創出する手助けとなる
3 市民に開かれた場(ネット空間も含む)を整備し提供することで、関心を呼び起こし、地域安全に貢献する
〇あくまでもパイロット版:市川みらいアーカイブ
http://chienoki.d.dooo.jp/ichiarchive.html〇あくまでも目標:中村哲著述アーカイブ
■参考資料
我が国における総人口の長期的推移
DXレポート ~ITシステム「2025年の崖」克服とDXの本格的な展開~
市川市住宅セーフティネット計画(市川市公営住宅等長寿命化計画)
2018年3月14日 一般質問(大久保たかし議員)
■執筆者
クラナリ
出版社に21年間勤務し、月刊誌の編集者として健康・医療・教育の分野で取材を行う。2015年に独立し、同テーマで書籍編集や執筆活動などに携わる。2018年から「暮らしと生業」がテーマのWebマガジン『クラナリ』を運営。
〇Webマガジン『クラナリ』 https://life-livelihood.blogspot.com/
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